ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



『“誰かいるの?”Aさんはそう言って後ろを振り向いた。でも後ろには何もいない』

「…、」



こ、これは前を向いたらいるパターン…。

ドキドキと緊張しながら、つい画面に見入ってしまう。



『“気のせいか”…Aさんが前を向き直した、その時』



く、くる!



「原さん」

「っ!!っ、キャーーー!!!!」



その瞬間、背後から突然ポンと叩かれた肩。驚きと恐怖に私は悲鳴をあげた。

お、お化けーー!!?



「……」



今にも泣き出しそうな勢いで声をあげ振り向くとそこにはもちろんお化けなどおらず、あったのは赤いチェック柄のシャツを着たいつも通り無表情の青井くんの姿。



「あ、青井く…!?」

「…そこまで怖がらなくても」

「え!?あっ違うの!今怖いやつの編集してて!」

「あー…」



半泣きで私が指差す画面に映るのは恐ろしい顔の幽霊。それを見て青井くんはそういうことかと納得して、私の隣の席…自分のデスクにバサッと資料を置いた。


 

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