ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛
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ふわふわとした、夢の中。
嗅ぎ慣れた作業部屋の匂いに、ほんの少し漂う違う匂い。
ごつごつとしていて、けど優しい感触が体を包んでくれた夢を見た。
それは、穏やかで幸せなぬくもり。
「…ん…」
目を覚ませば、窓から差し込む日差しと普段あまり目を向けることのない部屋の天井。
それらから、自分が徹夜の末寝てしまったのだと悟る。
朝…あれ、ソファまでどうやって来たんだろ…。
しっかりとソファに横になり毛布までかけているけれど、自分でやった記憶はない。寝ぼけた頭でぼんやりと目を開けば、手に何かを握っていることに気付いた。
「あれ…?」
握りっぱなしで少しシワのついた赤いチェック柄のシャツ。どこか見覚えがあるような…そう首を捻らせ思い返すと、そのシャツを着た昨日の青井くんの姿がぼんやりと思い出された。
「あっ!」
ってことは、もしかして…!
ガバッ!と体を起こしそのデスクの方向を見てみれば、そこには黒い半袖のTシャツ姿でパソコンに向かう青井くんの姿があった。