ツンデレな彼と甘キュン社内恋愛



それでもそのままにしておくわけにもいかないから、俺は出来る限り優しくその体を抱き上げるようにして持ち上げて、ソファの上へ寝かせた。



そっと、そっと。怖がらせないように、優しく。

そして近くに畳まれていた毛布を上にかけ、作業を再開させるべくデスクへ戻ろうとした。けれど、くいっと小さく服の裾を引っ張られる感触に足は止められる。



「ん…?」



見れば、原さんの小さな手は俺が上に着ていた赤いチェック柄のシャツをきゅっと握っている。

引き留めるような、安心感を示すような、そんな指先。



「…すー…」



…シャツの下、半袖なんだよな。

今夜は少し肌寒い。おまけに俺はどちらかといえば寒がりで、出来ればこのシャツを脱ぎたくない。だけど、シャツを握るその手を見たら。



「…、」



弱ったな、そう頭をかくと仕方なく俺はシャツを脱ぎ仕事を再開させた。




 
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