愛を知らないあなたに
―――嬉しい。


素直に、ものすっごく嬉しい。





“過去がどんなだろうが、凜は凜。変わらない。”


そう、言ってくれているみたいで。




勿論、琥珀様はそんなこと言わなかったし、たぶん言わないと思う。


ただのあたしの妄想。気休め。




でも、それでも。

やっぱり、嬉しいよ。





――でも。


ただ、無関心なだけかもしれない。

ただ、あたしなんかに興味がないだけかもしれない。




だけど、だけどさ。

そんなこと、思いたくはないんだよ。




できるなら、夢を見ていたい。

甘くて幸せな夢を。





すっと目を閉じれば、昼前の琥珀様の言葉が蘇る。



『心臓のところが、あったかくなった』





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