愛を知らないあなたに
どもりながらに紡がれた言葉。


その言葉は、あたしへの同情とか気休めとかじゃなかった。




真剣に、あたしに伝えようとしてくれたんだ。


感情が解らないなりに、伝えようと。


琥珀様の、気持ちを。

どもりながら、もごもごと、不器用に。





そう思うと、嬉しくて嬉しくて――何でもできるような気がしてくるから、不思議。


それに、馬鹿みたいに手放しで、琥珀様を愛しいと感じる・・・・・・。




―――――琥珀様。


あたしは、目を閉じて寝息を立てている琥珀様の端整な顔をそっと見つめる。




―――――琥珀様。







好きです。


大好きです。






もう、愛しくて、胸が苦しいです・・・・・・。



どうしたら伝わりますか?


どうしたら応えてくれますか?




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