愛を知らないあなたに
「お前は・・・・・・」



鬼様はあたしを見つめて、何かを言いかけた。


けれど、最後まで言わずに、口をつぐんだ。



そして、代わりにあたしを更に自らの体に近づけた。






「・・・・・・っ・・・///」



駄目だ。

心臓破裂する。




「やはり、お前は違う・・・」


鬼様のくぐもった声が、耳元で聞こえる。




「お前の体は、冷たいな・・・・・・。」



鬼様。

あなたは、温かいですね。







心臓は破裂寸前。


なのにあたしはどこか、安心していた。





鬼だというのに。


抱きしめられて安心してしまった。





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