愛を知らないあなたに
「お願いいたします。

仲間の呪いを解くことをお許しください。

あの術者をここに呼んで、呪いを解かせてください。

仲間はっ・・・私の罪とは関係ありません・・・・・・!!!」


「だが、罪人を助けたのだ。それは罪だ。」


「それは、あの術者に言われたのですか?」


「そうだが、事実であろう?」


「そんなの、違いますっ・・・」



キッと、睨むように薺が皇帝を見た。

下げていた頭を、上げる。




「そんなの、あなたじゃない!」






―――その言葉に、皇帝の顔が歪んだ。






「うるさいな・・・女天狗。」


「私の名は薺です。それは、本当です。」


「だからなんだと言うのだ?お前が女天狗であることは変わらぬ。

・・・・・・そうだ。」



皇帝が、何か思いついたかのように、口角を上げた。

美しくも冷たい笑み。


薺がすっと背筋を伸ばした。



・・・嫌な予感がする。




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