いちごパンツのポートレート

私が中井のおばさまを『師匠』と呼ぶのは私の料理の先生だから。

お向かいに住んでいた頃

おばさまは一緒に手作りパンを作らせてくれたり、

手作りクッキーの型ぬきをさせてくれたりと

私が料理に興味を持つ切っ掛けをくれた大切な人。

粘土遊びのように『どうぶつパン』を作る楽しさ

お花や星型のクッキーが焼ける

バターと砂糖の甘い香りの記憶と共に……幸せな情景を思い出させてくれる。

姉の息子6歳の樹と初めてのパン作りに挑んだ私は唖然とする。

ひとりで料理を作る何倍も精神的にも肉体的にも大変な事が分かって驚いたから

樹より小さかった私を幾度となく家に招き入れてくれたおばさま。

私はパンやお菓子を作る時に、

必ずおばさまを思い出す。

感謝の思いを募らせながら……




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