いちごパンツのポートレート
それからも学とは相変わらずの関係で、
家に呼ばれ無理やり勉強させられる日々。
その頃、
学の家は両親共に出張続き。
毎日家に行っている私でさえ、学のご両親を見かけることもなくてとても気掛かりだった。
テーブルの上には我が家ではお目に掛かることのない高級食材を使った
美味しそうな料理がラップされ置かれている。
「あぁー学の夕飯美味しそう」
よだれを垂らさんばかりの私に冷ややかな眼差し
「食べれば……飯は一人で食っても旨くないし」
一瞬寂しそうな表情を見せた学の事が心配になる。
でも直ぐにいつもの調子に戻って、
「おまえんちの夕飯食わしてくれるならいいよ」と悪戯っぽく言う。
「ご飯は私が作るんだよ?そんな美味しそうな料理みたいのは出来ないし……」
人の話しを聞いているのか、いないのか?
「今日は勉強終わり、早く行こうぜー」
学はウキウキと自分のための夕食を持って我が家に向かう。
「ガーク。鍵忘れてるよー」
慌てて追いかけ自宅に戻る。
その日から学は我が家で毎日食事をするようになった……