いちごパンツのポートレート
SS【チュー】の話
夜の帳も下りて、ベッドに入り眠りに付く直前……
「舞衣どうした?ぼぉーーーとして……」
「あのね。怜兄のこと考えてた」
「なぜ怜兄?」
「子供の頃。
学が”持参金”の意味を教えてくれた時のこと
……覚えてる?
『優衣姉は綺麗だから間違いなく嫁に行ける。
おまえは嫁ぎ先で虐めに合わないように今から持参金を貯金しろ。
まぁー誰も貰ってくれないかも知れないから良い学校を出て、
良い会社に就職して、
一人でも生きて行けるように今から努力するんだな』って言ったんだよ」
「うっ。悪かった……
初めから俺が嫁に貰うつもりだったから……
でもほんと悪かったよ。ごめんなぁー」
近頃の学はとても素直に自分の気持ちを口にしてくれる。
おかげで私の頬は緩みっぱなしだ。