あおぞら
「おはよう。」
「おはよう。早くご飯食
べちゃって。片付かない
から。」
「は~い」
うちは共働きで、毎日朝
から大忙し。洗濯や掃除
は、全部お母さんが出勤
する前にやり終えなけれ
ばならないからだ。
本当は私が手伝ってあげ
ればいいのかもしれない
けど、毎日夜の10時過ぎ
にバイトから帰ってきて
それから寝てるのに、早
起きなんて出来たもんじ
ゃない。
「かすみ、今日の予定は
?」
由紀子がかすみにその日
の予定を聞くのはいつも
のこと。
由紀子の出勤前の日課と
言っても過言ではない。
「ん~今日は5時に学校
終わって、それから…ラ
ト・ランセとjamでバイ
ト。」
かすみは、いくつかのバ
イトを掛け持ちしている
。
「そう。じゃぁ夕飯は何
か作って置いておくから
レンジで温めて食べて。
それじゃぁ行ってくるわ
ね。」
「わかった。行ってらっ
しゃ~い。」
今日もいつも通り由紀子
が出勤し、ついさっきま
でバタバタしていたリビ
ングにも静寂が訪れる─