虹色の流星
「楽しかったな!美月!」
 映画が終わってすぐに健にこう言われたんだけど…
 健のキスで、頭がパンクしてまともに見れてないんだけど!
 軽く拗ねてると、健は気づかないまま一人でどっかに行ってしまった。
「健、どこ行くの!待ってよー!」
 
 何分経っただろうか。
 周りの視線が、昔のトラウマから恐怖を持っているあたしは、時間が経つにつれ、がたがたと震えだした。
 頭の中は、健の事でいっぱいなのに、怖すぎて何も考えられなくなってきた…
「美月、お待たせー!」
 笑顔で帰ってきた健を見た瞬間、あたしは泣き出してしまった。
 健の手には、何かあったけどそんな事構わずに、彼の胸に飛びついて、大声を出して泣き出してしまった。
 健は、何も聞かないであたしの背中をずっとさすってくれた…
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