あたしはきっと君が好き
講堂に入ったあたしたちは、規則的に並べられた木の長椅子に腰かけるよう、言われた。
後ろを振り返ると、ママの姿が見える。

ニッコリ笑って、小さく手をふると、

「前向くんじゃないんですか?大野瀬さん?」

「うっるさいわねー!ママに手を振ってるの!…あっ…」

…優花かと思った。だから言い返したのに。決して先生だと知っていたら言わなかったはずなのに。
ママが必死に無視してくれてたのに、私は気づくことができなかった…。

バカバカバカ!あたしのバカァー!
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