不条理な恋でも…【完】
ちりちり…(穂香)
ひとしきり大希さんに唇を味わわれ、その舌先がそっと離れた…

そんなことを初めてされて、私の心臓は爆発寸前だった。

ゆっくりと瞼を持ち上げ、息のかかるところに顔のある大希さんと見つめ合う。


燃えるように揺れる瞳を目の当たりにして、少し…

たじろぐ。

すると彼の瞳の色が変わり、眉根にしわを寄せ寂しそうな苦しい表情になる。

「すまない…

つい」

大希さんが躰を引き、温もりがゆっくりと離れていく…

私は首を横に振った。ソファーには向き合って座った二人。


「お前がまだそういうことが無理だと思うなら、

今のうちに言って欲しい…


お前が大事なんだ。

本当に…

本当に…

大事にしたいんだ。絶対に傷つけたくない。

でも俺も男だ。そういう欲望がないって言えば嘘になる。


本当は付き合うことになった時から、

恋人になる事を許してくれたその瞬間から、

お前を抱きたくて抱きたくて…

仕方がなかった」

それは、熱烈な告白だった。

大希さんから直接的な躰を求められる、情熱的な囁きをされるのは初めてだった。

それでも彼だからなのか…

不思議と嫌悪感はなかった。

「私は…

私は…」
< 47 / 65 >

この作品をシェア

pagetop