愛しい人
図書室を出て、放課後
の教室に戻ると、なん
だかしんみりした。



よけいにむなしくなっ
て、涙が出てきた。




…ガヤガヤ…ガラッ



にぎやかに会話しなが
ら、優香たちが待ち合
わせの教室に戻って
くるなり、あたしを
見つけ、聞いてきた。


「告白…どんなだった?」

「…上手くいった?」

『…』



「り…さ…?」

『…うわーん……
フラれ…ちゃった…
結果分かってたのに…
あたし…ばか…だぁ』




「りさ…」

優香たちは黙ってただ
ただ側にいてくれた。




「りさチャン…隼人とは、
これからも…仲良く
はしてあげてな?」

『…うん…分かった!』



葵君たちには、これま
で通り仲良くしてあげ
てって言われた…




仲良くするつもりだよ。
これからも…ずっと…



でも…


本当はつらいんだよ…




近くにいるのに


手のとどかない…





隼人の側にいるのは。



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