ここにいるよ

「まぁ、今、告白しても無理だわ」


「やっぱり俺じゃ無理か」

一樹は、隠さずに気持ちをあらわにする


「っていうか」

「っていうか…」


里子が勿体つけて話す

一樹も真剣に聞く

生つばを飲み込む


「渚には…」

「森村には…」


「渚には好きな人がいるのよ」


「え………」


一樹は一瞬頭が空になった

「…………」

「一樹?」

「あーわり…」

一樹は戦意喪失みたいになってる


「大丈夫?」


里子は、そこまで落ち込むとは思ってなかったのであっけにとられる


「好きな奴って誰」


「原田…忍」

「……えっ……」
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