ここにいるよ
触らないで


「ナイスフォロ-!」

いつになく上機嫌な一樹

「騒がしいの嫌いなくせに知らないよ〜!忍まで出たら絶対女の子は黙ってないと思うけど」


忍のバスケ姿を見れるのは嬉しいけど正直、複雑…


また忍を好きな子が増えちゃうから


「何、いじけてんだよ」

「別に…いじけてないもん」


「嘘つけ♪」

苦笑しながらデコピンされると頬を膨らませ拗ねた


「川上先輩〜!」

一年部員が一樹を呼ぶと一樹はそそくさと駆け寄って行った


―――
――――
―――――

「似合う♪?」

着替えるまで更衣室の外で待ってたら忍がユニフォーム姿で出てきた


「うん…似合う…」

ポツリ、呟く


「元気ないけど大丈夫?」


心配して顔を覗いてくる忍に赤面してしまう


「顔…赤いけど」


いやいや…

顔が赤いのはあなたのカッコイイせいです


「忍…」

「ん?」

「ごめんね…何か私が勧めたみたいで…」


申し訳なくて凹み俯いてるとすぐ側でクスクス笑う声がした



「謝らなくていいよ♪渚ちゃんが喜んでくれるなら何試合でも出るから気にしないで」


そう言ってまた大好きな笑顔


「///」

「ちゃんと応援してね♪」
「うん」

微笑み合ってると遮るように


「忍〜行くぞ〜」

一樹が手招きしながら呼んでる


「分かった、今、行く」

忍は背中を見せ一樹の元へ歩いてると途中でまた戻ってきた



そして、耳打ちで囁くと笑いながら私の頭をポンッと触れた



「もう〜忍のバカ…」


触れた部分がとても温かくてもっともっと彼を好きになった







“勝ったらキスのご褒美ね”
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