桃色初恋、甘口キス
「はいはい、カッコイイカッコイイ」

「お前、本当に可愛くないな」

可愛げのないあたしの返答に、黄原はジト目で悪態をついた。

「それは知ってるって、言ってるだろ?」

「青葉……?」

あたしが愛ちゃんみたいに、可愛いわけがない。

女子にしては高い身長、化粧っ気のない顔、可愛気のない態度。
そう、可愛くなんてない。

朝も言ってたよな、黄原。
可愛くないって。
そうだよ、可愛くないんだよ、あたしは。

その後、淡々とマネージャーとしての雑務をこなした。
隣に黄原がいたような気も、いなかったような気も、する。
よく、わからないや。
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