桃色初恋、甘口キス
「青葉、大丈夫?」

「え?」

「部活中、ずっと上の空だったから」

部活終了後、緑木先輩に声をかけられた。
心配させてしまったらしい。

「大丈夫です、すみません」

「謝らなくてもいいんだけど……。
無理するなよ?」

「ありがとうございます、先輩」

さすが爽やかな先輩は、にこりと笑顔を残してあたしの前から去っていった。

「圭介、どうしたの?」

「いや、ちょっとね? 帰るか、晴香」

体育館の入口で、緑木先輩と紅先輩は合流して、さも当たり前のように、一緒に肩を並べて帰って行った。

愛ちゃんはこんな光景、見たくないだろうな。
明日告白するって言ってたけど。
大丈夫かな……?
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