桃色初恋、甘口キス
あたし可愛くないし、黄原だって毎日散々そう言ってるし。
もう言われ過ぎて、気になりもしないのに。

「俺、青葉が可愛くないなんて、本当は1ミリも思ってない。
俺に言われてそう思い込んでるなら……」

「あ、チャイム」

黄原の声を遮るように、チャイムが響く。
あたしは慌てて次の授業の支度を始めた。

黄原はまだ何か言いた気だったけど、先生が教室に入って来たので、諦めて口を閉じた。

5時限目が終わって、う~ん、と伸びをする。
2こ前の席に目をやると、愛ちゃんがそっとキャンディを口に運んでいた。

次の授業が終わったら、先輩に告白だ。
愛ちゃん、緊張しまくってる。

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