桃色初恋、甘口キス
6時限目もホームルームも終わって、とうとう放課後になった。

「緊張し過ぎて、どうしよう……!」

真っ赤な顔の愛ちゃんの背中を、大丈夫だよ、と優しく撫でる。
愛ちゃんはあたしにお礼を言って、それから小さく深呼吸をした。

「じゃあうみちゃん、行ってくるね?
明日、報告するからね?」

意を決した愛ちゃんは、教室を出て行った、

頑張れ!
あたしは小さな背中に、心の中でエールを送った。

「結局、青葉と桃瀬さんは、何で一日中変だったんだ?」

隣の席では、黄原が首をかしげていた。
だから、放っとけっての。
もう喧嘩したくないから言わないけど。
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