桃色初恋、甘口キス
「青葉のしてみたいデートって、どんなの?
俺が、叶えてやるよ」

戸惑うあたしを無視して、黄原は話を続ける。
耳元で、優い声が響く。

どうして……? 
これ何……?

だって今まで散々可愛くないって。

ほかの女子との接し方が明らかに違ってて。
あたしは女子じゃなくて、男子の扱いで。
バカ話して、喧嘩して。

そうだ、こないだの文化祭の時だって。
男物のスーツ姿のあたしに
「似合うな、本当に男になれば?」
って、笑ってて。

なのに……。
今のこの状況って……。

わからないよ、黄原……。
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