桃色初恋、甘口キス
あ、れ……?
驚きすぎて、笑いが一瞬でひっこんだ。

「可愛いよ、青葉は。
今まで心にもないこと言いすぎた。ごめん」

急に腕を引かれたと思ったら、目の前がオレンジ一色になった。
あ、これ、黄原のパーカーの色だ。

って、あたし、なんで黄原に抱きしめられてるんだ?

可愛い……?
なわけ、ないだろ。

「ちょ、ちょっと!
どうした……?」

おかしい。
こいつ、やっぱりおかしい。

「これがデートじゃないってんなら……。デートらしいこと、する?」

耳元で黄原が囁いた。
声が、近い。
ああ、心臓がバクバクする。

「おかしいって……。
なんで急に、こ、んな……?」

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