優しいカレの切ない隠し事
栞里さんが席を空け、なんとなく課長席の圭介を見ると、目が合ってしまった。
気まずくて慌てて目をそらし、原稿の整理を始めると、すぐにスマホへメールがきたのだった。
それは圭介からで、仕事中にプライベートなスマホへ連絡をしてきたこと自体に驚きだ。
用件は簡単。
早く話がしたいと、その内容だった。
もちろん、わたしもそのつもり。
それには即OKをしたけれど、どう話をしよう…。
さっそく今夜会うことになり、結局仕事に身が入らないまま。
早くこんなモヤモヤをなくしてしまいたいと、心から思うのだった。