右隣の彼
「はぁ~~緊張した~~」
電話を終えて一気に力が抜けた。

岸田くんがコーヒーの入ったマグカップを2つ持ちながら私の横に座った。
マグカップを受け取るとコーヒーを一口飲むと空きっ腹のせいか
コーヒが体に染みると同時に止まっていた食欲が一気に戻った。
なにか食べたい。そう言おうとしたら
「なんか嬉しいな~~」
岸田くんはご機嫌だった。
「なにが?」
「勿体無いくらい俺が好きなんでしょ?」
ニヤニヤしながら私との距離を縮めてきた。

「あ・・あれは・・・岸田くんのお父さんを納得させるためにー」
あの言葉には嘘はないけどニヤニヤされたら素直になれない。
「へ~~。じゃああれは納得させるために嘘を付いたってこと?」
持っていたマグカップをテーブルの上に置くと岸田くんはソファーにもたれかかりながら
大きなため息を着いた。

「いや・・そうじゃなくて・・・」
「そうじゃなくて?」
絶対楽しんでるよこの人・・・なんか悔しい
「ねぇ・・・」
「なに?」
「楽しんでるよね」
ため息をついて残念そうな顔をしているけどどうも口元が緩んでる。
「楽しんでるかも・・・ねぇーもう一回言ってよ」
「何を?」

「『私には滋さん以外考えられません』って」
その甘いマスクでおねだりされたらノーって言えないじゃない。
あ~~悔しい。
この先ずっとこんな日が続くなんて・・・・


でも案外楽しいかもしれない。
彼とだったらなんでも許せちゃうんだろうな・・・
悔しいけれど・・・
自然と笑みが溢れる。

「ふふっ」
「笑ってないで言ってよね」
私の言葉を待ってる岸田くんの姿は・・・子犬の様・・
私は岸田くんに抱きついたそして耳元で囁いた。

「私には滋しか考えらんない。・・・だから私を離さないでね」

end
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