右隣の彼
「ねぇ・・・何処へ行くの?」
私には聞かれたくない様なとこ?
まさか・・・変な所じゃ・・・・
「先輩が思っている様な如何わしい所には行かないんで安心してください」
「い?・・・如何わしいってそんな事ー」
「顔に出てますから」
岸田君は笑いを堪えるように手を口に当てると横を向いた。
そんなに私って顔に出ているのか?思わす窓に写る自分の顔をまじまじと
見てしまった。
しかし・・・どこへ行くつもりだろう。
外の景色を見る限り通った事のない場所だった。


着いた場所は公園の様だった。
見たところ特別有名な公園ではなさそうだった。

大きな池と・・・遊具もブランコと滑り台・・・それに砂場と鉄棒
やけにシンプルで特別何か特徴があるとは思えー
「あっ!・・・なに?あれ…桜?」

季節外れの桜が1本だけ花を咲かせていた。
春に咲く桜の様な華やかさはないけれど
薄いピンクの花は間違いなく桜だった。

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