矢野さん

ゆっくり起き上がり、ソファに座ると箱からロールケーキを取り出した。


フワッと甘いバニラの匂いが鼻を掠める。


丁寧な事に食べやすいようにロールケーキは小分けに切られていた。


その一つを手に取り口に入れる。


「……うま」


誰に聞かせる訳でもなくボソッとそう呟いた――。


――――――――――
――――――
< 142 / 419 >

この作品をシェア

pagetop