御曹司さまが放してくれない!!
御影さまはそのまま静かに歩いてくる。
何も言わずとも、みんな御影さまに道をあける。
人のアーケードがたちまち出来上がりわたしも、みんなと同じように道をあけた。
でも、御影さまは
わたしの前を通り過ぎようとしない。
立ち止まり、しかも、くるっと体ごとこちらを向く。
え?なに・・・?
わたしをじっと見ているように思う。
でも、そんなわけない。
だって、わたしと御影さまは初対面。
しかも、わたしなんかに用事があるわけもない。
御影さまの視線はとてもまっすぐで熱くて、そらすことができない。