京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜
「こんにちは〜」
「あら、梅に桔梗。桔梗は、久しぶりやねぇ」
店に入ると、菊李が出迎える。
「菊李さん!お久しぶりです」
最近来ていなかったが、菊李も店も変わっていない。
「ちょっと、あんた!」
「え?」
桔梗が振り向くと、絲亀屋で働いている、五百蔵珊瑚が立っていた。
「珊瑚ちゃん!久しぶり〜!」
「あんた、時雨はんと一夜を共にしたんやて!?本当なんか!?」
「ええ!?変な言い方やめてよ!何も無かったよ!」
桔梗は慌てて答える。
「そうか、ま、あんたが時雨はんに相手にされるわけ無いわな」
「珊瑚ちゃん、相変わらず毒舌だね…」
「は?何言うとんの。あんたが嫌いなだけや」
珊瑚は、桔梗にきっぱり言ってのける。
「珊瑚、あんま桔梗をからかいんさんな」
菊李に言われた珊瑚は、生返事をしながら奥に引っ込んだ。
「せや、梅。昨日は大丈夫やったんか?」
「昨日、何かあったの?」
桔梗が聞くと、梅は下を向いて話し始めた。