もう一度、逢えたら…
ズザザーッ
「キャーッ」
「うわっ」

バトンを渡した直後だったために
転んだ私を、バトンを受け取った速水君は一瞬振り返った。
でも、まだ、リレーの練習の最中のため、彼はそのまま走っていった。

私は、一瞬頭が真っ白になり、
横になったまま、動けなかった。

でも、まだ、他のクラスのバトンリレーは続いていて
私は、じゃまになると思い、
慌てて、その場から動かなければと立ち上がった。


学年全体の見守る中で大コケした為、
あまりの恥ずかしさで痛みも感じなかった。


隣を走っていた浦野君に

「大丈夫?」

と言われたのに

「うん。」

とだけ答え、
びっこをひきながら走り終わった人の方へ
逃げるように向かった。


ただ、バトンはちゃんと速水君に渡せていたし、
彼も走り出していたので、
迷惑を掛けずに済んだと、それだけは安心できた。



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