もう一度、逢えたら…
私は一応すべて暗記してあったから、
いつ当てられても大丈夫だったけど、
人前に出るのが苦手だったので、

(どうか、当たりませんように。

もし当たったとしても、
台詞の短い方になりますように……)

と祈っていた。


台詞の多い方がページの3分の2以上を占めていた。


2組の発表が終わり、
3組目の発表になった時、
出席簿とボールペンを持った竹田先生が言った。


「みんな、ちゃんと覚えてきたみたいだな。

じゃ、これで最後な。

最後の組は……、
一人目、浦野。

二人目は……、
女子にするか。

えーっと、
じゃあ、遠藤。」

(うわぁ、なんか当たる気がしてたんだよなぁ……。

やっぱりなぁ……。)

と、私は最後の最後にきてしまったと、
あきらめて前に向かった。
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