もう一度、逢えたら…
歌い終わった彼女に、
俺は思わず話しかけていた。


「かわいい声だね。」

自分で言って、
俺はなにを言っているんだ
と思ったが、
彼女は気にする風でもなく

「そうかな?」

と言ったので、俺はほっとした。


「浦野君は歌わないの?」

と彼女が聞いてきた。


「おれは、歌わないよ。
あんまり得意じゃないしね。」

とそう答えた。
< 91 / 216 >

この作品をシェア

pagetop