ショコラノアール~運命の恋~
本命チョコ、だったんだけどな。

バス停のベンチにぼんやりと座り宙を眺めていると、

黒い塊がとんできた。


「なっ!」

バサッ

まじか、

カラスがとなり飛び降りたかと思うと

あたしのマジチョコを拐っていった。

「捨てるのも、つらかったし、

自分でたべるつもりもなかったから、

まあいいや。」

飛び去った方向をぼんやり眺めたら。

やけにお天気で静かな空に

まるで夢の中での出来事みたいな気分にさせられた。



*。.*。.*。.



そうこれは夢の様な出来事だった。


あの日チョコレートを受け取ってもらえたら、

あのベンチに座ることがなければ、

カラスにとられることがなければ、


あなたと出会うことは無かった。


誰も知らない奇蹟のような出来事これが始まり……

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