ショコラノアール~運命の恋~
うらやましいと思う気持ちは大いにある。

合コンとか、この年になって何度も経験しているが、

どうしても、圏外で、

気休めに女子が声かけてきても、

まあ、無難なその場限りのお話程度、

まあ俺も,携帯番号とか聞くとかしない。

名前だけとはいえ、

一人の女の子を追っかけるって異常だと思うし、

そんな俺を誰かが好きになってくれるとかあり得ないと思うから。


はあっと大きくため息をついた。

俺は彼女が見つかるまで、

ずっとこんな感じなのかなあ。

これでイケメンとかなら回りがほっとかないんだろうに。



ウィーン……

急に動き出したDVDの音で、はっと我に返った。

もうすっかり深夜になっていたのか。


録画予約した新やアニメ始まったみたいだ。


TVのスイッチを入れると、

最近人気のアイドルグループアニメ、

『スクールライブ』

俺はその中ののぞみちゃんが好きだ。


素朴で、しっかりしたお姉さんタイプ。


決して出しゃばらず、けれど確かにある存在感。


俺はあの子をのぞみちゃんに重ねている。


「のぞみちゃんみたいな子だと思うんだよな彼女……」


ああ、そうか、

ケーキ屋の子が気になってるのは

彼女がこののぞみちゃんのイメージに、

似ていたからだ。


スイーツとのぞみちゃん。


ですっかり実像化しちゃったのか


そうか、


なんだ、運命みたいに感じたのは


ただの妄想……









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