ショコラノアール~運命の恋~
休憩時間にって言われて、

モーニングタイムの終わる時間に、

近くのコンビニで待ち合わせることに。


もう5年以上あってない女装の幼馴染、

興味がないって言えばうそになる。


いつも使うコンビニ、

折角の休みだって言うのに、

行動範囲が職場の半径5Mいないって、

悲しすぎるな私。


それにしても、

パパどうしたかな?

昨日よりは大分いい気がするけど、

まだまだ辛そうだったな。


今日は昨日往診してくれた病院へ行って、

ゆっくり休むって言ってたし、

お姉ちゃんがついてるんだから、

私の心配には及ばないだろうけど、


雑誌の棚から、

適当な本を手に取り、パラパラとめくる。


へえ、

『彼の心を掴むお弁当』かあ。


昨日の宅配の彼、

宮直樹君だっけ、

あの人の顔が思い浮かんだ。


え?


何で何で?私ったら。


プルプルと頭を振って、
妄想をストップさせた。


そ、そうだ、たまたま一番最近会った男の子だからだ。

意味ないって、意味ないって。


うひゃ、キャラ弁、掴めないと思うなあ心。


実際これもらったらドン引きだろう。


せっかくだから本見よ本。


しかし、心をつかむってことはまだカレカノじゃないんでしょ?


ないわー、ハートのニンジン。


ププっ、その上

くまさんのハンバーグって小学生かって話だ。


コンコン☆


ん?


コンコン☆


ん?


ココンコンコン☆


窓に目を向けると、


「ぎゃ」


さっき頭に浮かんだその人


宮直樹君が笑ってガラスの向こうで人懐っこい顔して立っていた。
















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