あの夏のキミへ
そのままぱしゃぱしゃと波で遊ぶ蓮。
その姿を見てると、高校生なのに、小さい無邪気な子供に見えて笑えてくる。

もちろん、表情には出さないけどね。

蓮は楽しそうにこちらに一方的にぶんぶんと手をふる。




その途端、








わたしの脳裏に焼き付いていた思い出が蘇り、頭の中を駆け巡った。




古い古い、思い出が。





…靴を脱いで海に足をつけ、遊ぶわたし。

満ち引きを繰り返す波の中で、楽しそうに水を撒き散らす。

そして振り返るとそこには…

砂浜の上で嬉しそうに手を降る、












父と母の姿があった。


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