あの夏のキミへ
ゆっくりゆっくりと弁当をたいらげた。

空になった弁当箱に蓋をして、先ほどの袋の中に入れた。

食後に飲もうととっておいたラムネの瓶を手にとる。

定番の薄い青で着色された、透き通った瓶だ。

わたしは蓋の上についていた玉押しを両手でギュッと押さえる。

すると、瓶の中にはたくさんの泡が現れて美しい世界が広がった。

押していると玉は比較的すぐに瓶の中に落ちた。

隣を見ると、蓮の瓶は既に開けられていた。

そっと瓶に口をつけようとすると、蓮が自分の瓶をわたしの手元に近づけてきた。

「かんぱい」

「えっ、あ、か…かんぱい…」

静かな波の音に混じり、瓶と瓶が触れ合う高い音が響き渡った。
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