あの夏のキミへ
じんじんと痛む、熱を持った足をひきづりながら学校へと向かった。

とうとう雨は本降りになってきて、冷たい雫がわたしの服に染みこんで、だんだんと体温を奪っていく。

歩いていると学校が見えてきた。

蓮と会ったあの日から、時間が止まってしまったように変わりなくたたずんでいた。

今は夏休みで部活動生しかいないのだが、雨のせいで野球部などの練習は中止になったみたいで、運動場はシーンと静まり返っていた。

校門をくぐり靴箱にたどり着くが、人一人いない。

しかし、それでよいのだ。

なぜなら今のわたしの格好は、Tシャツに短パンだったからだ。

本来なら制服で来なければならないところを私服で来てしまったのだから、とても都合がいいと一人でがってんしていた。
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