恋セヨ乙女

『あれ?莉乃先輩、おはようございます』

!!!

朝から登場した隼汰くん。

『莉乃先輩…足怪我ですか?』

え?

『保健室行きましょう』

私は隼汰くんに手を引かれた。

「あ、待って…担任に言ってくるから…」

『なら俺が言ってきますよ』

隼汰くんには迷惑かけてばかりだ。

『許可もらってきましたよ!』

「隼汰くん何でここに…?」

学年の違う隼汰くんが朝から
この階にいるのはおかしい。

『高田先輩に用事あってきたんです』

「え…それなら早く…」

『でも、後で大丈夫です。莉乃先輩の怪我の方が大事ですから』

なにそれ…。

「え?」

『いや、あ、用事よりも怪我人を放っておくのが俺のポリシーに反するだけです!』

び、びっくりした。

私だから助けてくれてるのかと
自惚れてしまうところだった。

「ありがとう、優しいね、隼汰くんは…」

『き、気にしないでください、行きましょう』

隼汰くんに引かれる手。

その手から伝わる熱に私は
どぎまぎしていた。

< 13 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop