オレ様探偵とキケンな調査
「あたしもビール、いただけますか?」


「あぁ」


冷蔵庫の中の冷えたビールを乾いた喉に流し込む。


「…あ」


「何だよ?」


「思い出しました…」


「何が?」


「イブのホテルの日…帯金さん、壁ドンで迫りましたよね?」


「今頃かよ」


帯金さんの苦い笑いに、あたしもつられて笑った。


「フフッ…。帯金さん、あの時の方が良かったですか?」


「あの時って?」


「依頼主をからかうS探偵」


「そうかも、な」


「戻れるかな…」


「戻るしかねぇだろうな」


それでもあたしがせがんだら…ううん、そんなの帯金さんにとって背負えない荷物になるだけ。


あたしは笑って右手を差し出した。
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