オレ様探偵とキケンな調査
電車に揺られ、優先席に座った妊婦さんを見て、ふと考えてみる。


もし、あたしのお腹に小さな命があって。


もし、その子を抱いて笑っていられたら。


信吾さんの愛を繋ぎ止めることはできていたんだろうか…。


ううん。


もう、そんななかった過去を追うのはやめなきゃ、ね…。


あたしには今日がある。


そしてまた明日が来る。


2週間後にはきっと裁判所へ足を運んでる自分がいる。


信吾さんとの離婚。


それがあたしの選んだ、道。
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