オレ様探偵とキケンな調査
「2週間以内に、報告書をいただけますか?」


「2週間?そりゃ、アンタの旦那が女とどんだけの頻度で寝てるかにもよるけどな」


「毎日朝帰りです」


「毎日泣いてたのか?」


「───っ…!」


意識はしてないんだろうけど、その帯金さんの優しさに似た言葉に。


思わず今まで押さえ込んでいた感情が丸裸になり、涙腺から一粒だけ出た雫。


あたしはそれを強く拭って、震えてしまいそうな言葉をグッと飲み込んだ。


「なぜそんなに急ぐ?」


「早く…早く愛のない家を出たいんです…」
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