オレ様探偵とキケンな調査
「に、してもねぇ、椿ちゃん、かなり飲んだね?何かあったん?」


「何もあるわけねぇだろ。あったとしても不倫旦那のウサ晴らしだ」


「ハハッ!マジウケるんだけどぉー」


「鳴海さん、大丈夫ですか?」


小松さんの持ってきてくれたコップの水に体を起こすと、テーブルの真ん中に置かれたケーキの匂いで、また胸がムカムカした。


「ありがとうございます…。あのぉ…」


「んぁ?」


「せっかくのクリスマスパーティー、すいません…」


「別に椿のためじゃねぇし」


「そ。ココの事務所の年間行事なんだ。クリスマス、お正月、ひな祭り、子供の日、七夕、全部やんの。すごくね?」


そっか…。


昨日、帯金さんが明美さんに渡してたメモ、今日のための買い物リストだったんだ。


そんな大事な事務所行事の日に、あたしったら…情けない。


「えっと、もう大丈夫なので。みんなでケーキ、食べましょうか?」


「そうだな。ヒデ待たせちゃかわいそうだし、食うかっ。ただし、椿は飲み食い禁止」


「ハイ…」
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