オレ様探偵とキケンな調査
帯金さんと小松さんは社長用デスクでヒデくんと黒ひげ危機一髪中、なんとか復活したあたしと明美さんは台所で洗い物。


「ヒデくん、楽しそうですね?」


「うん。あの子、あの2人にはスゲーなついてるから」


「やっぱり子供っていいなぁ…」


「椿ちゃん、いないもんな。次の結婚で産めば?」


「次はありません。もうこりごりです」


「酒も、ね?」


「フフッ…」


「社長もさー、ホントは自分の子と遊びたいんだろうなー」


「やっぱり…いたんです、か…?」


「3年前まではさ、元気だったんだ。この事務所開く前のことなんだけどさ、母親と散歩中、居眠りの車に突進されて、以来、植物状態が1年続いて今じゃ車椅子、なんかソレが原因の離婚らしいねー」


「今も…まだ…?」


「うん。小松のオッサンの話だと、5歳のその子は社長を父親だと判別できない記憶障害だって」


「そうだったんですか…」


「オッサンもオッサンで奥さんを癌で亡くして以来、孫を連れた娘とは絶縁状態なんだって。そのせいじゃね?2人ともヒデかわいがってくれんの。ウチはウチでDVが原因で離婚のシングルマザーだし。椿ちゃんも旦那は不倫中、みんな何もないようで色々抱えてるワケだ」


「あたしなんかが聞いちゃって良かったんでしょうか…?」


「ハハッ!ウチは椿ちゃんだから話したんだケド?」


「どうし、て…」
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