優しさ、そして愛




やっぱり私服の竣は
あまり見慣れない





それにアクセサリーしないのは
変わらないみたい






じっと竣を見過ぎたせいか
目があった





「…飲んでみますか?」






竣は自分手に持っているグラスを
傾けながら私に微笑んだ





この笑顔は意地悪な…


   



「だめだよ、兄貴

 杏ちゃん絶対弱いから」





クスクス笑いながら
缶のチューハイを持った翠が
私の隣に座った






なんかこの兄弟
無駄に色っぽい…





お酒が入ってるせいか
顔に赤みがかかっていて
距離もいつもより近い






「あ、これなら飲みやすいよ
 
 …甘くてね」







「それなら俺のを
 
 …ね、杏さん」






2人が耳元で甘く囁く






お酒なんかより2人のほうが
極上に甘いです





どんどん2人の綺麗な顔が
ゆっくりと近づいてくる






「…ひゃっ!」






急に後ろに引かれ背中から
何かにぶつかった





「大丈夫か?」






「蓮!」






私を助けてくれたのは蓮だった







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