優しさ、そして愛


竣に続いて歩くと
大広間に着いた




「さぁ、どうぞ」





え、私1人で入るの?




「竣も一緒に…」






あ、入らないのか






すっごく笑顔だけど
あいかわらず爽やかだけど
目が1人で入れって言ってる






やっぱり竣は逆らっちゃ
いけない人なのかもしれない







よし、女は度胸!






そう意気込んで襖を開けた






目の前には真っ黒なスーツに身を包んだ
いかにも人達







その奥にはおじいちゃんと
真っ黒なスーツに着替えたお兄ちゃん






髪を後ろに流していて
さっきよりも大人っぽくて
かっこいい






同じスーツ姿でもなんだか
オシャレに着こなしている







「あ…」






さっきは気づかなかったけど
あのピアスは…






「あぁ、これか?

 杏がくれたものだからな
 いつもこれだけはつけてるんだよ」





< 22 / 138 >

この作品をシェア

pagetop