オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
分かってるよ、分かってるもん……っ。
ジワジワと涙が出そうになるのを堪えていると
大神くんは言った。
「僕の好物、何だか分かる?」
一歩、距離を縮めてくる。
大神くんの……いや、オオカミくんの好物……。
そしてまた、もう一歩近く。
考える間も無く、大神くんは言った。
「泣き顔だよ」
な……!?!
「涙を溢したら僕、食べに行っちゃうけど?」
ぶんぶんと必死で首をふる。
そしたら大神くんは
「じゃあ泣きやめば?」
と言ってきた。