オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
ちらりと彼を見る。
「あの……っ、」
小さな声で呼んだら彼はこっちを向いた。
「何だよ」
「石渡くん、昨日はごめんね……っ、」
まだ、話慣れてない人との会話は
声が震える。
だけど、彼は
「別に……」
とつぶやいて前を向いた。
あれ?もう怒ってないのかな……?
良かった。
私はほっ、として授業に集中することにした。
大神くんとなら、最近は震えずに話せる。
それはまぁ、大神くんと一緒にいる時間が一番長いからなんだけど
色んな人と話せば、この性格を治せることが出来るのかなぁ……。