オオカミくんに、食べられちゃった赤ずきん
ふぅ……。
けっこう奥の階段は遠いな。
でも多目的室から近いから終ればすぐに行ける。
良かった……。
「お、待ってたよ」
すると可愛い笑顔で笑う彼がそこにはいた。
「あ、お待たせ」
距離はしっかり取る。
不自然にならないように、おでこを見て話す。
うん、これならきっと大丈夫。
「あのさ……言いたいことなんだけど
覚えてるかな?入学式の時」
入学式?
入学式と言えば、自己紹介で大恥をかいた事しか記憶にない。
「朝、赤月さん俺とぶつかったんだ」