愛が冷めないマグカップ



小林部長はそう言ったきり、あゆみのほうを見てくれなくなった。


あゆみはなんと返事をしてよいのかわからずに、胸の中だけが妙にざわざわとして落ち着かない。





(綺麗だから…。それって、どういう意味…?本気にしちゃっていいのかな?)





「さ、まずは軽く朝飯でも食いに行くか」




「えっ?あ、はい…」




(そっか、まだ朝の8時だもんね。小林部長と一緒に朝ごはん食べるなんて、なんか変な感じ)




「あゆみは朝はパン派か?ごはん派か?」




「あ、パン派です。小林部長はどっちですか?」




「俺もパン派だ。じゃあ喫茶店のモーニングで決まりだな」





小林部長が嬉しそうに笑っている。あゆみはなんだかとても幸せな気分になった。

小林部長があゆみに朝ごはんはどうしようか尋ねてくれる。それもまるで一晩一緒に過ごした恋人同士のように自然に。




「コーヒーが美味い店があるんだ。いつかあゆみを連れて行ってやりたいと思ってた」




「…小林部長…」





(どうしよ…。すっごく嬉しいかも…)









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